400年の歴史を持つ友禅は、手間のかかる独特の染織技法である。小さな刷毛を使い、手作業で生地に色をのせ、無地、グラデーション、または精巧なモチーフを生み出す。そうして生まれた豊かな芸術性を表現した生地は、高級な着物などに使われる。友禅の伝統的な天然染料の使用は、残念ながら、1800年代後半にヨーロッパの化学染料が導入されて以来、激減している。加賀友禅作家である久恒は、常温で手描き彩色して、15秒で染まる天然染料を開発した。日本に何百年も前から存在した天然染料の文化に立ち返ることにより、現在、化学染料が主流となっている金沢の加賀友禅を自然染料へと変え、色に意味を持たせて土地の魅力や文化的価値の発展を目指す。久恒の新しい染料は、急速に失われつつある友禅染文化に希望をもらわすものである。
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